親と友達になれたときから、不完全さを認め合える。

親って何だろう?

わたしにとっては、自分がこの世に生まれたきっかけになった、人間であることは間違いがないけれど、多感な青春時代から大人になってしばらくするまで、この問いに真正面から向き合うことができなくて、心のどこかで嫌いだと思ったこともたくさんあって、でも、結局愛は一度も消えたことが無いなぁって。

 

札幌に戻ってきて3年目だけれど、実は今が一番親と仲が良いのかもしれない。

そんなわたしが感じる、当たり前と言えば当たり前の「親もただの一人の人間に過ぎない、不完全な生き物なんだ」ってことについて。

 

世の中には、最近「親ガチャ」なんて言葉も出てきていて、別に自分で「ああこの世に生まれたい!」「今すぐ自分を産んでくれ!」なんて思わなくても、気づいたら子供だったわけじゃないですか。

 

それでも、いつまでも永遠に子供のままなわけではないので、一回生まれて大人になってからの長い人生を存分に楽しめると、気分も良いんじゃないかと思います。

 

子供は親を選べないし、家庭環境も選べない

選ぶことができたらすごいですよね、でも現実的にそれは不可能なことです。

自分にとって良い親が何かは人それぞれ考え方があって然るべきだけど、そもそも子供の時は自分の親が良い親かどうかなんてそこまで考えないかもしれない。

ただ、愛されているか、愛されていないかは敏感に感じ取ってしまうよね。

わたしは、両親に愛される環境で育った子供でした。

自分自身、特に母親だけはいつもどんなときも味方でいてくれたことを覚えています。

 

でも、誰しもがそういう環境ではないことも知っている。

 

一方で、過度に愛される環境は、それはそれでその愛が重すぎてかえって身動きが取れないことも、プレッシャーに押しつぶされそうなことも、不自由さで苦しくなることもある。

 

何が良いのか悪いのかなんて、子供の頃はわからないですよね。とりあえず息苦しいっていうか。

 

家庭環境だって自分では選べない。

 

生まれたときから大学までの進路が決まっているような家庭環境もあれば、自由奔放な家庭環境もあれば、自分に見向きもしてくれないような家庭環境だってあるし、生活すらままならない場合だってある。

 

生まれてから絶望する準備なんてできているはずもないのだから、そういう環境を恨むことだってたくさんある。

 

何にせよ、子供は親を選べないし、家庭環境も選べない。

産みたいのは親の方で、産みたくなくても結果産んだ場合でも、やっぱりそれは親の判断なんですよ。

だから、子供という立場はすごく弱いですよね。

 

大人になって初めて、親は一人の人間だって理解できる

成人しているかどうかなんて関係なく、一人の人間として自立して生きていけるようになると、いろんな責任を負うことになる。

仕事や恋愛、生き方その他諸々、責任を負えるようになってきて初めて、その中で感じる完璧じゃない自分を発見することがある。

親が自分を産んだ年齢を自分自身が超えたとき、

「ああ、全然自分が思ってた大人とは違ったんだな」

「お母さんもお父さんも大変だったんだな」

って気づいたこと、ありませんか?

逆に反面教師で、

「自分は絶対母親or父親みたいにならない」とも思ったりするかも?

 

 

親との関係って、簡単には切れない関係だと思っているのですが、単なる反発じゃなく、親のことも一人の人間として受け止められるようになったとき、初めて親と友達みたいな関係になれると思うんです。

 

馴れ合いみたいな関係ではなくて、親友よりも深く、確かな家族愛が共存するような絶対的な信頼関係。

 

いつまでも依存するのではなく、でも助け合って支え合える、そんな家族でいたいなって今は思っている。

 

実はわたしは、一時期父との関係がものすごく悪く、就職するまで「父親って何のためにいるのよ!」と思っていて、顔を見るたびケンカしたり、冷戦状態が続いていました。

でも、結局血筋のごとく父と同じような仕事をするようになって東京に出て、仕事をするようになってからの方がいろんなことを話すようになりました。

でも、父は上京してすぐ病気になってしまった。

亡くなる前に、話せなくなる前に「もっと話しておけばよかった」って、何度も本当に後悔した。

 

3年前に札幌に戻ってきたあとは、そういう想いもあって、たくさん母と会話するようになりました。

 

話をしている中で、昔あった嫌だったことも、死にそうなほど苦しかったことも、いろんな背景があってそうなっていたことを知ったので、今は全部許せてしまいました。

 

そんな中で、わたしと父親の間にあった確執のようなものも、一人の人間として父親を捉えるようになってから、すっかり消えていきました。

 

良かったなって、思います。

 

親と落ち着いて過ごせる時間は、実はとても短いと思う。

 

どこかのタイミングで、ぶつかったり嫌いになったりしたとしても、どこかで大切に思えるような人だとしたら、少しずつわだかまりが消えるような関係にできた方が、あとで後悔しないのでは。

 

親との関係を見直すと、新しい人生ステージに行ける

親って人間関係の一番始まりになりますよね。

だからこそ、傷つけたり傷ついたりしやすいんだろうなって。

他人との関係よりもずっと。

子供の頃に許せなかった親の不完全さを根に持って、今までの自分に引っ張られる人生が良いのか、今の自分と親との関係をアップデートして、新しいステージに行くのかは自分次第。

 

自分を傷つけた人の想いにも少し寄り添える余裕を持てるのが、本当の大人なのかもしれないですね。

 

自分を傷つけた人を許せば、憎しみから解放されて幸せが舞い込んでくる。

自分を傷つけた人を許せば、憎しみから解放されて幸せが舞い込んでくる。

 

自分のことを大事にしてくれる親だったとしても、そうじゃなかったとしても、親がいたから自分がいることだけは変わらない。

 

無意識に親に縛られていたわたしが感じたことを書いてみました。

これを読んだ方にとって、何かのきっかけになったら嬉しいです。

 

MIMO

 




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MIMOGY
働くオトナの心に寄り添うシンガーソングライターMIMOGY-ミモギィ-。 大学卒業後就職と共に上京するも、会社員生活の中での激務やストレスでベッドから起き上がれなくなったのをきっかけに音楽の世界へ。 働き世代の実話から書き下ろす歌詞と芯のある歌声が特徴。 人生遊びきる楽しいオトナが増えたら良いなとブログも更新中。