生活スタイルは時代の流れの影響を受けることも多いけど、今はどんな時代なんだろうと考えるときがあります。
極限までモノを持たないイメージの「ミニマリスト」と呼ばれる人がどんどん増えている印象ですが、言葉がひとり歩きしがちなのもまた事実。
ミニマリスト…必要最小限のモノで生きる人
そんなイメージがありますが、実際はモノ以外の情報や人間関係を必要最小限にする、ということにも当てはまります。
ミニマリスト的な考え方そのものが「ミニマリズム」として知られていますよね。
わたし自身、ストイックなミニマリストではないのですが、この「ミニマリズム」的思考を日々の生活に取り入れて、定期的な断捨離を行うようになってからやや4年くらい。
誰もがミニマリストになるべきでもなく、モノを持っていようが情報をたくさん吸収していようが、それらに振り回されずに自分らしく生きられるならそれで良いと思っています。
ただ、実際に自分がゆるーくでもミニマリスト的な生き方を取り入れるようになってから、良かったこともたくさんあります。
具体的には生活の質がかなり上がったので、今回の記事ではその内容をご紹介しようと思います。
ミニマリストにちょっと興味はあるけど、そこまでストイックさは求めていないな…でも少しやってみたい!という方にはぜひ読んで頂きたいなと。
ミニマリストが注目される背景
そもそも、ミニマリストという言葉が世の中に出てきたのはいつからでしょうか?
こんまりさんこと近藤麻理恵さんの「人生がときめく片付けの魔法」という本が大ヒットしたり、佐々木典士さんの「ぼくたちに、もうモノは必要ない」という本が大ヒットしたり。
遡ればもう5年以上前から、「断捨離」という言葉は定着して、いつしかミニマリストという言葉が出てきました。
ミニマリストや、その考え方そのものであるミニマリズムは、日本の禅の心「吾唯知足」(足るを知る)にも通じると言われています。
ミニマリストが増えてきた背景にはいろいろな説がありますが、わたしとしては以下が主な理由かなと思っています。
- モノも情報も多すぎて管理できない人が増加した(情報過多の社会)
- モノを持たなくても暮らせるようになった(シェアリングエコノミーの普及)
- 経済的な理由で無駄をそぎ落としたい層が増えた(経済格差の拡大)
- 幸せは経済的・社会的成功→精神的な満足度合いに変わった(幸福の定義)
簡単にまとめると、ガンガン稼いでいろいろなモノ・情報・人間関係をありあまるほど手に入れるより、自分の心に正直になって、自分自身が幸せに生きていけるなら、必要最小限で困らないなら充分じゃないですか、みたいな感じかと。
1~4が全部当てはまる場合も、一部だけ当てはまる場合も、どれも違うって人もいるかもしれませんが、自分の肌感覚的なものとか、いろいろなミニマリストさんYouTubeを見ていて感じることを4つ書いてみました。
人間は1日24時間で生きていて、20万年以上身体の構造がほぼ変わらないのに、江戸時代の1年分の情報を1日に受け取っているとも言われています。
【参考記事】現代人が1日に受け取る情報量は江戸時代の1年分だった!?(みんなのライフハック@DIME)
やばいですね!
経済成長していた頃は「成長=善」と考えられていて、そのための共通の目標でお金を稼ぐ、結婚して家を持つ、車を買う、広い家に引っ越してもっと良いモノに囲まれた良い暮らしをする…のような価値観が作られていたけど、今は必ずしもそうじゃないですもんね。
日本が後進国化していっているのは、多かれ少なかれ誰しも気づいているのでは?
そんな世の中で、大切にするべき価値とは?
人の価値観って、時代で変わるからおもしろいですね。
ミニマリスト的思考を取り入れたら上がった、生活の質
わたし自身、「足るを知る」は幸せを感じるための秘訣だと考えています。
お金でも仕事でも見栄でもなんでも、足りないと感じると他人と比較して「もっと欲しい!」という嫉妬や欲望で溢れかえるので、余計なモノを全部捨てたら何が残るかを考えてみよう、それらを大切にしよう!というミニマリスト的な思考が今は好きです。
ちなみに昔の自分は、こんな風に考えていました。
- お金を稼いだ分だけ幸せになれる
- 欲しいモノを欲しいだけ買ったら幸せになれる
- 人生の9割はお金で決まる
これらは、自分が育った環境がきっかけでできた価値観です。
お金で困ったり苦しんだ経験が子供の頃からたくさんあって、今でもトラウマになって残っています。
なので、ミニマリストという言葉を知らないまま社会に出た頃は、激務やストレスが重なってベッドから起き上がれなくなる朝を迎えるまで、稼ぐことが一番良いことだと思っていました。
そんなわたしは、精神科のお世話にはならなかったものの、「なんで病院行かなかったの!?休職レベルだよ!」とあとで職場の先輩に言われる程度には心病んだ経験があり、そのことをきっかけに音楽活動を始め、今に至ります。
好きなことを続けていくうちに、その好きなことを続けていくために必要なことはなんだろう、と考えたら、たまたま知ったことの一つが断捨離という言葉でした。
それがゆるくミニマリストを取り入れたきっかけ。
わたしはストイックなミニマリストでもないし、モノの数も決して少ないわけでもないし、普段からミニマリストを掲げているわけでもないのですが、部分的にミニマリスト的な考え方を取り入れて4年くらい経ちました。
結果、生活の質はかなり良くなったんですよね。
具体的には、
- 精神的なストレスが減って、不眠症や胃腸炎がなくなった
- 低体重・虚弱体質から健康体になれた
- お金が貯まるようになった
- 上3つによって精神的・肉体的・経済的な余裕ができた
- 自分とつながる人をより大切にできるようになった
- やりたいことを実現するための時間がますます取れるようになった
平和か!
充分なQOLアップと言えます。
ミニマリストをストイックにやろうとする人の中には、
「思い出のモノはスマホで写真に撮って捨てよう!」
「代用できるモノは一つにして他は全部捨てよう!」
みたいなことを声高に言う方もいますが、自分の心を犠牲にしてまで全部捨てる必要は、全くないですね。
「過去を捨てることで未来を生きるために、過去を思い出させるモノも情報全部捨てたい!」という場合ならぴったりだと思います。
一方で、思い出に浸る時間そのものや、選択肢があることの自由も楽しみたい場合には、そういうストイックさは合わないと思いますし、その必要もないですね。
あと、代用できるモノがあれば一つにしようというのも、モノによって用途を使い分けしている場合は合わないですね。
言葉そのものを拾うと、誤解を招くのもミニマリストかも。
ミニマリストの本質は、ミニマリストの一人であるYouTuberのTakeruさんの本が参考になるので、良かったら読んでみてくださいね。この方のは本質突いているなと感じます。
インパクトのある考え方や言葉って、それだけで一人歩きするけど、背景に何があったのか?を考えつついろいろな人の考えを知るだけでもおもしろいなと感じるのでした。
ミニマリストだけの話じゃないですけどね。
【参考記事】自分らしく生きるためには「経済的自由」が必要な理由。
ゆるくミニマリストを取り入れるなら、断捨離から
ゆるいミニマリストお試しだろうと、ストイックなアスリート的ミニマリストだろうと、一番最初にやることは断捨離なのは変わらないと思います。
- 断つ
- 捨てる
- 離れる
これは実はモノだけじゃないですよね。
余計な人間関係や、自分の頭の中にある雑念なども入ります。
部屋は心の状態を表すなと思うのですが、部屋が汚い女性はバッグの中も汚くて、でも化粧はがっつり濃い傾向があると思っています。
表面的に飾ったり覆い隠すのに慣れると、ほんとの自分も誰だかよくわからなくなりそうですね…
いろんな方も勧めているとは思いますが、やっぱり何よりも最初に始めることは断捨離なのです。
何が必要で何が不要かを判断するって、慣れないとけっこう大変な作業です。
慣れた頃には、生活だけでなく仕事でも取捨選択が上手になっているかもしれませんね…!
わたしが断捨離の対象にしたものを参考に挙げると、
- 服・靴・バッグ・小物・アクセサリー
- 本・CD・DVD
- 小型家電・調理器具
- キッチン周りの小物
- SNSやアプリinスマホ
- PCのデータ
- 合わない・育たない人間関係
- 残業
- 苦手分野の仕事すべて
- 東京で働いて生活すること
- 合わない彼氏w
以下はただの宣伝ですが、元彼を含めいろんなモノを断捨離する歌を作っているので、良かったら断捨離のBGMにどうぞ。はかどりますよ~!
Spotifyはこちら↓※他アプリでも配信中!
ミニマリスト的生活を取り入れる3つの効果
生活の質がすごく上がった!とお伝えしましたが、その理由としては、ミニマリスト的な生活スタイルを取り入れると3つの効果があるからだと思っています。
- 選択肢が減る
- 無駄な出費と時間が減る
- 必要なことに時間とお金をかけられる
あらゆることでミニマリストを目指さなかったとしても、少し取り入れるだけで、必要なことがわかるようになるので、生きる上で良い循環を作れるんだと思います。
1.選択肢が減る
選択肢は「多い方が良い!」と思いがちですが、でも、実は多すぎるとただ迷うだけで悩んで決められないことも多いのではと。
例えば朝起きて、
「今日は何着ようかなー、あーちょっと違うかー、うーんじゃあこれはー…(エンドレス)」
みたいな時間を過ごしたことはないですか?
こういう時間の使い方が、衣食住遊の全部で減ります。
選ぶのに悩んでいる時間を節約すると、もっと楽しいことや必要なことに時間を割けるようになるので、とても良い過ごし方ができるようになります。
自分にとっての最適な選択肢の数ってあると思うんですよね。
食をおいしく楽しみたい人は、やっぱり品数が多いじゃないですか。
でも興味がない人は、毎日同じ食べ物でも飽きないのかもしれない。
そういうのに似ています。
わたしは品数が多めの和食が大好きなので、一人暮らしだとしてもけっこう作っている方かなと思います。
添加物もほとんど使わないし、ヘルシーだし、体も喜ぶので最高。
2.無駄な出費と時間が減る
これも、かなり大きな効果です。
選択肢が減るので、余計な買い物をしなくなるし、余計な時間を使うこともなくなります。
疲れが蓄積すると考えるのも非効率になってきますが、無駄を減らすと疲れの蓄積を減らすことができるので、ストレスも減って無駄に服や食べ物やお酒を買い込むこともなくなります。
そうすると、すべての時間が有意義に過ごせるようになるし、空いた時間で休んだり、やりたいことに精を出したりできるようになります。
やらないことを決めたら、空いた時間ができる。
部屋のモノと同じく、1日の時間でも断捨離は活きてきますね。
3.必要なことにお金と時間をかけられる
選択肢を減らして無駄を減らすと、必要なことにお金と時間をかけられるようになります。
人生はどうやら100年くらいあるらしく、長いです。
でも、間違いなく有限だし、もしかしたら明日病気になるかもしれないです。
そんな中で、必要なことがわかって、そこに時間とお金をかけられるようになるのは生きる上で大切なことです。
心の余裕は自動的に生まれない。
自分にとって必要なことは人それぞれ違うし、世の中にただ流されて生きていくと確実にわからなくなります。
「みんな飛び込んでますよ!」って言われて沈没船から飛び込む日本人ジョークは、現実社会のリアルストーリーです。
そうじゃない生き方がしたいなら、生活を一度整理してみるのはとても大切なことですね。
★参考「日本の同調圧力が強い理由と、少しでもラクに生きる方法。」
ミニマリストは手段のひとつでしかない
ミニマリストは、ライフスタイルで実現したいことを達成するための手段でしかないと思います。
ミニマリストになることを目指すことが目的になると、何をしたいかわからなくなって、その結果「モノをただ減らす人」になる可能性があります。
わたしはきっかけが「お金より好きなことに使える時間が欲しい」だったので、そのためにできることをやろうとしたら、たまたま断捨離が合っていたという話。
ただ、モノを極限まで減らしたいとは思わないので、好きな服は相変わらずたくさん持っているし、宅録や音源制作に使う機材やソフトも増えました。
自分の大切にしたい分野は対象外にして、自分にとってどうでも良いことは潔く断捨離。
そういうゆるいミニマリストを取り入れるのが良いのではと感じます。
ひとりひとりの価値観がいろいろあって面白い世の中だなと思いますが、否定し合わず自分にあった過ごし方ができたら良いですね^^
最後までお読み頂きありがとうございました!
(参考記事)【実話】会社員をしながらミュージシャン活動するための3ステップ。